回答終了後の手塚君と大石君




手塚君と大石君は、お互いの回答を読み終わったようです。




「大石・・・」
「手塚・・・こんなふうに思ってくれてたんだな。すごく、嬉しいよ」
「・・・それはこちらの台詞だ。お前には、本当に世話になった」
「ははは、おかげで胃薬が手放せなかったな。でも、それも今になったらいい思い出だ」
「大石・・・」
「結局お前は、一度も俺に愚痴をこぼしてくれなかったな・・・」
「何?」
「怪我を抱えて誰より辛いお前の、精神的な支えになるのも副部長の仕事なのに。お前は一人で平気で、俺は何も助けになれなかった・・・」
「大石、それは違う」
「俺にできたのは、部の仕事の手伝いや部員の面倒を見ることだけだ。サポートが得意なんて、笑わせるよな」
「大石!」
「・・・手塚?」
「それは違う。俺は、お前が頼りにならないから弱音を吐かなかったんじゃない。お前にこれ以上の負担をかけたくなかったんだ」
「手塚にも、辛いときがあったのか?」
「・・・ああ」
「なら、どうして言ってくれなかったんだ!俺は、もっとお前の支えになりたかったのに!」
「・・・すまない」
「いや・・・俺こそごめん。分かってるんだ、それが手塚だもんな。いつも強くあろうとする、お前らしいよ」
「・・・いるだけで良かったんだ」
「え?」
「お前がいてくれるだけで・・・十分支えられていた」
「手塚・・・!」
「お前との約束に、いつも後押しされていた・・・」
「手塚・・・」




「・・・泣くな」
「泣いてないよ」
「嘘をつけ」
「・・・なあ手塚、お前知らないだろ。お前が無茶するたび、俺がどれだけ心配したか」
「・・・・・・」
「・・・変わってやりたかった」
「そんなことを言うな。俺こそ・・・九州に行っている間、お前に無理をさせた。俺の我侭の代償をお前にまで負わせてしまった」
「いいや、それは当然だよ。俺は跡部との試合で、お前を棄権させなかった。俺はあの時、お前に何があっても一緒に背負うつもりでいた。実際はとても責任を取りきれるものじゃなかったのに。だから、この右腕は俺への罰だ」
「馬鹿を言え!!」
「・・・・・・」
「それ以上言うなら、グラウンドを走らせるぞ」
「・・・職権乱用だよ、手塚」
「お前が馬鹿なことを言うからだ。俺の怪我は俺だけの責任だ、お前には関係ない」
「なんてことを言うんだ、俺は」
「・・・俺は感謝している」
「え・・・」
「あの時のことを感謝している。結果的に皆には迷惑をかけ、お前の治療の時間を奪った。それでも俺は、あのときの選択を後悔していない・・・いつもお前は、俺の気持ちを汲んで送り出してくれる」
「手塚・・・」
「自分を責めるな。責められるべきなのは俺だ」
「俺がお前を責めるわけないじゃないか・・・言っただろ、全部一緒に背負うと決めたって!」
「大石・・・」
「手塚・・・」


「大石・・・!」
「手塚・・・っ!」











不二君と菊丸君は、そんな二人を暖かく見守っています。


「・・・不二、クーラー入れて」
「英二、気持ちは分かるけどもう秋だから」
「暑い、暑いよ!なんかもう汗とかいろんなものがほとばしって熱すぎるよ耐えらんないよーっ!」
「・・・やってられないよね、ほんと」


「はあ・・・まったく」
「ウチの二本柱ときたら・・・」


「「熱い熱い」」













あとがき


当サイトは管理職コンビの暑苦しい友情を推奨しています。
・・・笑っていただけると幸いです。
実際は手塚と大石は、こんなことは言葉にしない人たちなんだろうな・・・。 原作の二人の友情には何度も泣かされました。悲願の優勝おめでとう!








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